理念と効果は分かるものの、、、現実は。

記事はこちら:ワーケーションが広まらない背景にある「2つの誤解」

地方自治体では地方創生の切り札としてワーケーションを捉え、2019年に設立されたワーケーション自治体協議会には2021年6月現在、193自治体が参加しています。一方、株式会社クロス・マーケティングと山梨大学が2021年3月に行った調査(※1)では、直近1年間でテレワーク(リモートワーク)を経験した人は全体の39.6%に上りましたが、そのうちワーケーションを経験した人はわずか6.6%にすぎませんでした。

まずはこれが現実です。
実際にワーケーションに行っても同じような事をコワーキングスペースでやっている人は少なく、ほぼ他人と会ったことはありません。
(そこを拠点としているような人を除く)

この記事自体は非常に納得できるものです。
リモートワークをするのであれば、会議などは全てチャット等で行えば、リアルタイムで参加する必要はありません。

時間の制約がなくなれば、仕事と遊びの両立も可能ですし、その人だけ時間をずらすということも問題なく行われるでしょう。

理想は確かに大事。
でもワーケーションが盛り上がっている今、理想通りの働き方をしている個人だけをターゲットにしてもできる人が増えませんし、待っていても1年2年でどうにかなるものではありません。

いいことはいいと思います。
他人に話しても「いいね!」と言ってもらえます。
でも自分でやるか?というと「うーん」となる人が多いのが現実です。

Twitterにはこのようなコメントがあります。
人とジョブを選ぶのは確かですし、自分で全て決定権がある人なら問題ないのですが、他人と調整しないといけない場合、他人に合わせないといきません。
そうなると、途端に時間制約が出てきます。

パフォーマンスは上がる気はします。

 このことをワーケーションに当てはめて考えてみましょう。ワーケーションは日常生活の場から離れたところに移動するため、普段とは異なる視点で物事を捉えることができやすくなります。その結果、普段の仕事では思いつかなかった新しい発想が生まれる可能性が高まります。

自分もここは否定しないです。
上がると思いますし、なんとなく「そういう仕事をしている自分に酔う」という暗示をかけることができている気がします。

ついでに制約がかかるとそれなりに集中力が増える気がします。
場所が変わり、いつもと少し違う景色で知らない街。お昼も「まぁ適当でいいか」という訳にもいかないとなると、自ずと1日のスケジュールがいつも以上に正確に決まります。

行くお店なども前日位に決めておくことが多いので、迷わなくなりますね。ただ、その分行って当日休みだと大変なことになります。

ワーケーション推進側が持つ大きな誤解

ワーケーションは素晴らしい!やりましょう!という側は1つ誤解をしているような気がします。
この文章で例を記載しているところ。

Zアカデミア学長の伊藤羊一氏は、何年も前から「ひとり合宿」という名のワーケーションをしていると述べています(※2)。そして「ひとり合宿」を行う際はなるべく会議や作業を入れず、普段の仕事の振り返りや、企画に没頭する時間に充てることを大事にしているそうです。

これができる人はいいんですよ。
そりゃできますし、とっくにしてます。
『仕事=人生』みたいな方はこんな「ワーケーション」程度屁でもありません。

問題は「ターゲットとして新たに動かしたい層はここではない」ことなんです。
ここが多くのワーケーション推進側の誤解です。

誤解を恐れずに言えば「そこまで仕事に人生を賭けておらず、そんなに潤沢なお金がない人」を旅行気分でワーケーションに行かせないといけません。

そこには「生産性」「創造性」と無縁とまではいきませんが、その領域に求められるレベルは低いですし、自分で完全に決定権を持って働いている訳でもないのです。

その人が「仕事の生産性が上がるからちょっと足を延ばしてワーケーションに行こう!」となりますか?
絶対にならないとは言いませんが、どうでしょうかね。

「やってみれば分かるよ!とってもいいから!」では通じません。
ぶっちゃけ「飴」がないとそのステージに立たせるのも無理で、その「飴」をどう作るか?を考えていく必要があります。

自分の考えと推進案

前泊、後泊が最初は分かりやすいだろうと思っています。

土日を全力で楽しんでもらうため、旅行先に1日多めに泊まってもらうのだが、簡単でも仕事をしないといけないかなーという人向けですね。
ワーケーションのイメージとはかけ離れますが、その辺りから攻めないと崩せる感じがしません。

海辺でマック広げて仕事をしているイメージ図のまま突き進むと、結局はキワモノの働き方にしかならないです。

理想はいい。ワーケーションも面白い。効果もある。自治体も期待してるっぽい。
でもそれでは浸透しません。残念ながら。金もかかるし。

自分もこの働き方は好きなので、なんとか浸透させたいです。
だからこそ、いつまでも夢ばかりではいけないという想いもあります。

現実も見つつ、適度にバランスを取った案を考えていきたいですね。